Photoshopのアクション&バッチ機能の使い方【作業の自動化】

2019-02-06
デザイン制作

Photoshopのアクション機能とバッチ機能を活用すれば、同じ作業を繰り返すことなく自動で処理できる「PhotoshopのAI化」が可能になります。

例えば同じサイズのトリミングを量産したいとき、膨大な数の画像をCMYKに変換したいとき、同じ補正や加工を残りの画像全部に適応させたいときなど、「何回繰り返すんだこの作業。。」というような仕事は全部Photoshopに任せてしまいましょう。

アクション機能の使い方(作業を録画する)

Photoshopのアクション機能は、繰り返し行う作業を録画し、再生することで自動で繰り返すオートシステムです。アクション機能の便利なところは、「作業して保存して閉じる」ところまでを1セットにすると、大量のデータを一括で片付けることができるということです。 つまり、作業の完全自動化。

例えば100枚以上の画像を補正するとなると大変な労力ですが、一つの処理をアクションで登録しておくと、あとは同じ補正を勝手にやってくれるんです。その間わずか数秒。

アクションの効率的な使い方は、最初にアクションを登録しておき、その後「バッチ」という機能で連続して繰り返すという方法。登録しておいたアクションは、あとで何度でも使うことができるのもポイント。

これを覚えておけば、大幅な時短につながります。

アクションを登録する【例:カラーモードをCMYKに一括変換する】

まず、繰り返したい動作を記録するために「アクション」を用意します。

メニューの「ウィンドウ > アクション」でアクションパネルを呼び出します。
左下にある「新規作成」ボタンを選択し、新しいアクションを登録します。

まずはアクション名(作業名)をつけます。今回はCMYK化のアクションなので「cmyk」と名付けました。名前はなんでもOKです。

【便利なショートカットキーの登録】
「ファンクションキー」という項目ではショートカットキーの登録ができます。F1〜F19までのFキー(+Shift、+Commandも組み合わせて選べる)を使ったショートカット登録ができ、例えばF1キーで登録をしておくと、毎回F1キーを押すことで自動的にアクションが作動するようになります。

新規作成が済んだら、右側の丸い「記録」ボタンを押します。赤いランプが点灯すれば録画がスタートしています。(※ここからはミスをしないよう気をつけましょう)

録画している状態で、画像のカラーモードをRGBからCMYKに変更します。メニューの「イメージ > モード > CMYKカラー」で画像をCMYK化し、 保存して閉じるところで作業を終了。録画ボタンの左側にある停止ボタン(四角)を押して、録画を完了させます。

この作業は「画像をCMYK化→保存→閉じる」というアクションに登録されました。

ちゃんと録画できているか確認するため、別の画像を開いて右側の再生ボタン(三角)を押してみます。同じことが一瞬で完了していれば、このアクション登録は成功です。さらに確認のため、先ほどの画像をPhotoshoで開いてカラーモードを確認しておきましょう。(ここで間違えていたら後が大変)

このように、アクション機能は録画した作業をボタン一つで繰り返すことができます。画像の補正やトリミングも同様に使えます。

アクションを使うときの注意点「保存先の登録」

アクションは保存から閉じるまでをセットにすると非常に楽なのですが、別のフォルダにある画像をアクションで処理しようとすると、保存先は前回のフォルダと同じ場所に入ってしまいます。なので、アクションとバッチ機能の登録は、保存先に気を付けて行いましょう。

バッチ機能でアクションを繰り返す【完全自動化】

10枚くらいの画像なら、アクションを10回再生するだけなのでそこまで手間はかかりませんが、例えば100枚や200枚といった膨大な数を処理しようと思うと、アクションだけではとんでもない手間と時間がかかってしまいます。

そこで利用するのがアクションを連続して繰り返す「バッチ」機能です。この組み合わせで、作業時間が大幅に短縮できます。

バッチ機能の使い方【同一フォルダに画像を集める】

まず、バッチ機能を使う前に、画像を一つのフォルダにまとめておきます。こうすることで、途中でエラーが出て作業が中断されるのを防ぎます。

メニューの「ファイル > 自動処理 > バッチ」を選択し、バッチの設定画面を開きます。

「アクション」項目で登録したアクション名を選択し、「ソース > フォルダー > 選択」で、変換したい画像データが入っているフォルダを選択します。もう一度確認!画像データは全部同じフォルダにまとめておくこと

「エラー」項目で「エラー発生時に中止」にしておくと、何かしらのエラーが出た時に一度作業をストップしてくれます。ありがちな上書きなどのトラブルを防いでくれるので、これは設定しておいた方がいいです。

以上で設定は完了です。

OKボタンを押すと、選んだフォルダ内の画像が全て自動的にCMYKに変換されます。本当に数秒で終わります。制作会社に勤めていたときに教わった早技。これで作業効率は格段にアップです。

バッチ機能を使うときの注意点

バッチ機能を使う場合は、アクション登録のときに必ず「ファイルを閉じる」まで記録してください。保存だけで終了すると、途中で止まってしまいます。「作業→閉じる」までを1セットとします。そして、変換する画像は全部同じフォルダに入れることも忘れずに。

イラストレーターで配置している画像を同一フォルダ内に集めるなら「パッケージ機能」が便利です。

Illustrator(イラストレーター)の画像を収集するパッケージ機能

「パッケージ機能」とは、イラストレーター上に配置している画像を一気に集める機能です。Photoshopでバッチ機能を使うには、画像を一つのフォルダに集めないといけません。最初から同一フォルダに画像が入っている場合は問題ないですが、あっちこっちのフォルダから画像を集めて配置している場合は、一つのフォルダに一気にまとめてしまいましょう。(リンクも貼り直し可能)

もしIllustrator CS6を使っている方なら、スクリプト「Collect For Output」機能で集めることができます。CS5より以前のバージョンは、画像収集スクリプトが必要です。(今もあるのかな?)

イラストレーターのパッケージ機能が優秀すぎる!

画像はイラストレーターのデータを重くする最大の原因です。作業スピードを上げるためには、画像は埋め込みではなくリンク配置にするのが必須。ところが作業を進めていく上で管理を疎かにしていると、違うフォルダから画像を取っていたり、リンクを置き換えてしまったりすることが起こりがちです。

どこにいったかわからない画像を探すのはとてつもなく手間。そして無駄な時間。そんなとき、パッケージ機能を使うと、配置している画像を一つのフォルダに自動で集めてくれるんです。

さらにパッケージ機能では、データで使用しているフォントまで集めてくれます。作業途中でデータを渡す時など、アウトラインを取らなくてもフォントも加えたパッケージフォルダごと渡せば作業に滞りがなくなります。

画像を埋め込みではなくリンク配置にするメリット「修正のライブプレビュー」

画像をリンク配置にしておくと、画像を修正してもライブプレビューのように自動的に更新されます。埋め込みにしてしまうと修正は反映されません。圧倒的にリンク配置の方が効率がいいです。埋め込みを推奨する印刷会社も多いですが、その理由はリンク切れなどのトラブル回避のためなので、きちんとした入稿データを作れるのであれば、リンク配置で入稿しても大丈夫。上で紹介したように、パッケージ機能をうまく使ってきちんとリンク切れをクリアすれば、埋め込みじゃなくても問題ありません。

Illustrator(イラストレーター)での入稿データの作り方【オフセットor特色(シルクスクリーン)】 – freespace

Illustratorで作ったデータを、印刷用の入稿データに変換する方法です。 …
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