Windowsユーザーの方はパワーポイントを使うことが多いと思いますが、そのパワーポイントを使ってオシャレなアップル風デザインの名刺を簡単に作ってみませんか?今ではPDFデータでの印刷入稿ができる時代なので、パワーポイントで作ったデータでもPDFに保存すればオリジナルの名刺が作れてしまいます。
センスや技術など一切不要。職業デザイナーである私と一緒に、パワーポイントを使って名刺デザインを作っていきましょう!
目次
パワーポイントで名刺のデザインテンプレートを作る
一度テンプレートを作ってしまえば、あとでいくらでも作り替えることができるので便利です。今回はパワーポイントを使っていきますが、PDF保存ができるソフトならなんでもOK。レイアウトのコツさえわかれば、応用はいくらでも効く。今回は「スタイリッシュなApple風の名刺を作る」ことを目標に進めていきます。
目標は「アップル(Apple)風の名刺」シンプルでかっこいいデザイン
Appleは海外のメーカーなので、名刺のレイアウトも海外ならではといった感じ。日本ではあまり見慣れない構図を使っており、配置も綺麗です。きっと渡された方も「おっ!」と思うことでしょう。
まず、仕上がりの目標はこれです。以前もらったAppleストアの名刺。
文字はそのまま流し打ちです。特殊なフォントや使い分けも行なっておらず、難しいところは一切ないです。グローバルならではといった感じ。
そして、Appleのテキストをofficehojoに置き換えてパワーポイントで作ってみた完成イメージはこちら。
この見え方を目標に作っていきましょう。
Apple風の名刺はどうやって作る?デザインとレイアウトの考察
まずは全体のポイントについて、最初におさらいしておきましょう。
- 名刺のレイアウトは左右2つに分かれている
- 左側はロゴマーク、右側は文字の情報
- 右側の文字は上、中、下の3つに分かれている
- 社名は真ん中で、余白はたっぷり作って注目を浴びている
この4点に気をつけながら作ると良さそうです。
日本の名刺と海外の名刺はどう違う?デザイン比較
日本で一般的に使われている名刺は、上に社名、真ん中に自分の名前、下に連絡先が入っているのが通常。文字のバランスは上から下へ重くなります。下が重い分、上にある名前や社名を大きくし、バランスをとっているんですね。
Appleの名刺は全体の文字を小さくまとめ、大小のメリハリをつけない代わりに色で強弱をつけています。トーンで強弱をつけています。余白が多く、見やすくて綺麗。全体が白っぽく見えるので、ホワイトカラーの清潔さを連想させます。
強調する部分は「黒」の強い色を使い、その他の文章情報は「グレー」で薄める。グレーの中でも強調したいところは「太字」にする。こんな感じで強弱をつけています。
理屈はこんな感じですが、作れば明確!早速作っていきましょう。
名刺のサイズを指定する(今回は欧米サイズ:89mm×51mm)
まずは用紙サイズの設定から。Appleは海外のメーカーなので、サイズは欧米サイズの89mm×51mmです。ちなみに日本の名刺サイズは91mm×55mm。欧米サイズは横の長さが強調され、日本の名刺より少しスリムな印象になります。
PowerPointでの設定画面「デザイン > スライドのサイズ > ページ設定」へ進み、「8.9cm × 5.1cm」と入力します。
これで用紙が欧米サイズになりました。
フォントを決める(テキストは「小塚ゴシック」の「6pt」)
ホーム画面に戻り、テキストボックスを1つ作ります。フォントは「小塚ゴシックR(なければゴシック系で)」、サイズは「6pt」、色は黒色に設定しておきます。黒色は100%の真っ黒ではなく、その上の95%くらいの黒色がベスト。デザインの世界では95%くらいを自然な黒色として使います。
こんな感じです。左側の余白(ロゴが来る場所)は4cmほど残し、テキストを右へ配置。これがベースとなります。
そしてこのテキストを下に向かってコピーペーストしていきます。Macでは「shift + option」のショートカットで下へドラックしていくと簡単です。WindowsならControlかな?それを5つ分作ります。
だいたいこんな感じになっていればOKです。文頭は必ず揃えます。
そして上から順番に「名前」「役職」「社名」「住所や連絡先」「HPやSNS」を打ち込んでいきます。
「社名」は少しだけ上寄りにすると綺麗に見えます。あと、すごい細かいところですが、「Tel:000 」の数字の前には半角スペースを入れて「Tel: 000」とすれば読みやすくなります。
文字の色を決める(グレー45%)
次に、文字の色です。名前以外の4ボックスを選択し、文字の色をグレーに変更します。
結構薄めのグレーを使うと黒がしっかりと浮き出てくれます。濃度は黒45%〜50%くらいの色を選ぶといいですよ。
そして、社名のみ「小塚ゴシックB」に変更し、太字にします。(同じフォントで太文字を使うこと!)
以上で右側の完成です。簡単でしたか?
それでは左側にロゴを配置していきましょう。
ロゴの大きさを決める(余白の15%くらい)
左側にロゴを配置します。ロゴはドラック&ペーストすれば配置できるかと思います。サイズ感はこんな感じ。
余白を9分割して、真ん中の1マスに収まるくらいのサイズ感が理想です。officehojoのマークは三角なので、バランスを見て少し上寄りにしています。ロゴの形によって見え方は変わるので、臨機応変に真ん中へに見えるよう調整してください(このあたりは目分量で)。あまり大きく配置すると左右のバランスが崩れるので、大きさは真ん中1マスの横幅に合わせるくらいでいいと思います。
これで左側も完成し、出来上がりです!
あとは入稿用にPDF保存するだけです。お疲れさまでした。
保存形式は「PDF」がオススメ
「別名で保存」を選び、保存形式を「PDF」にして保存します。なぜPDFにするかというと、入稿の際にパワーポイント形式で入稿するとフォントが置き換わることがあるからです。フォントを埋め込みにすれば問題ないのですが、そうなると容量が重くなりますよね。アップロードにも時間がかかります。
おすすめはPDF入稿。これで入稿用データの完成です。
名刺をラクスルで印刷する(入稿編)
今回は「ラクスル」で入稿する手順を紹介します。左側のナビゲーションメニューの「印刷サービス > 名刺 > 欧米サイズ名刺」へ移動します。
次の画面で設定するのは「用紙」「紙厚」「色数」「枚数」「納期」です。
Appleの名刺に使われている紙は「マシュマロ」な感じがしますが、ラクスルにはないので、それに近い「マット紙」で代用します。もし他の業者で印刷するならマシュマロの180kg〜220kgを選ぶとそれっぽい仕上がりになるかも。
紙厚は「180kg」でもいいですが、せっかくなので少し厚めの「220kg」を選択しましょう。紙に張りが出てちょっと高級感が出ます。
色数は「片面カラー」か、ロゴが白黒グレーの場合は「片面モノクロ」で発注できます。
あとは部数と納期を選んでカートに入れ、購入手続きへ進みます。入稿形式は「PDF」を選択してください。
発注が終われば届くのを待つだけ。いい感じに出来上がっているといいですね。
気をつけるべきこと
こちらで紹介したApple風の名刺は、文字情報が非常に小さいです。民間向きとは言えませんので、用途に応じて文字の大きさはカスタマイズしてください。レイアウトはそのまま崩さない方がベストですが、そこは臨機応変に。
ちなみに老眼の方でも無理なく読める文字のサイズは12pt〜14ptと言われています。実際には8〜9ptを下回らないくらいで作ると大丈夫。文字が大きくなると、ちょっと窮屈な感じになってしまいますが、デザインと実用性、どちらをとるかですね。ちなみに商業デザインの場合は5pt以上が推奨となっています。
番外編:ラクスルで出来ないこと
ラクスルでは、紙の種類や加工方法などがほとんど選べない代わりに値段が安く設定されています。独特な紙の素材を使いたい場合には、用紙の種類が多い名刺21がオススメです。プラスチックや透明カード、エンボス、部分ニス、箔押し、穴あけ、レーザーカット、ミシン入れ、スジ入れ、、、大体のことができるほど豊富に揃っています。特殊インクを使ったものはできませんが、加工や素材でデザインを作りたい場合はぜひ。(PDF入稿できたかな?名刺21。。)
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