イラストレーターのアートボードを使いこなすために、アートボードの作り方、複製、サイズ変更、整列、順番の付け替え、印刷範囲の設定などをまとめてみました。知っておくと便利な機能が満載です。
目次
Illustrator(イラストレーター)のアートボード=用紙設定(ページ設定)
イラストレーターでは、用紙のことをアートボードと言います。最初の設定画面に出てくる「新規ドキュメント」もアートボードとほぼ同じ意味。最初の設定画面では「スマホ用」「Web用」「印刷用」「動画用」と選ぶことができますが、主な違いは「サイズ」「単位」「カラーモード」の設定です。これらは後から変更ができるので、ここでの選択はさほど気にしなくても大丈夫です。
アートボードを複製(追加、コピー)する
アートボードを追加で複製する方法は二つあります。一つはショートカットキーを使った方法、もう一つはメニューから作る方法。私は時短のため。ショートカットキーを使います。
ショートカットキーを使ってアートボードを複製(追加)する
まず、左のツールバーからアートボードマークを選択します。(ツールバーにない場合はメニュー「ウィンドウ > ツールバー > 基本」から呼び出します)
このアイコンが目印です。アートボードのサイズ変更や複製などは、このアイコンを選択した状態で行います。
アートボードツールを選択した後、「shift + option」を押しながらアートボードを横へドラッグします。Windowsの場合はAltでいけると思います。複製の際にはアートボード同士が重ならないようにしましょう。
アートボードを複製すると、中に入っているオブジェクト(テキストや図形など)も一緒に複製されますが、オブジェクトにロックがかかっていると複製されません。(オブジェクトのロックは「command + 2」、解除は「command + option + 2」)
複数のアートボードをコピーしたい場合は、shiftを押しながら複製したい複数のアートボードを選択し、そのままドラッグすればOK。
メニューからアートボードを複製(追加)する方法
メニュー「ウィンドウ > アートボード」でアートボードウィンドウを呼び出します。右上のオプションメニュー(三本線)をクリックすると「新規アートボード」と「アートボードを複製」項目があります。白紙のアートボードを複製したい場合は「新規」を、中身も一緒に複製したい場合は「複製」を選びましょう。
白紙のアートボードをいくつか追加したい場合は、右下の用紙マーク(ゴミ箱の左側)をクリックすればどんどん増やせます。
アートボード名の左にある番号は「印刷順」を表しています。もし印刷の順番を変えたい場合はアートボード名をドラッグして入れ替えます。ここで順番を入れ替えたとしても、画面上のアートボードは移動されません。
アートボードの順番を変える
一番簡単な方法は、画面上にあるアートボードをドラッグして好きな場所へ移動する方法。この時、複数のアートボードを移動したい場合は「sift」を押しながら選択していくと一気に移動できます。アートボードの数が多い場合は面倒な作業になるので、アートボードメニューを使った整列と再配置を使ったほうが簡単で綺麗に配置できます。
アートボードを整列する(印刷の順番を変える)
まずはアートボードウィンドウで順番を入れ替えます。アートボード名を上下にドラッグして希望の順番に置き換え、左下にある「すべてのアートボードを再配置」アイコンをクリック。ここで細かい設定をしていきます。
「アートボードを再配置」の設定
再配置の設定では「レイアウト順」「列数」「アートボードの間隔」が選べます。例えばアートボードを5枚ずつ横に並べたい場合は「横列数を5」にすればOKです。
下の「オブジェクトと一緒に移動」にチェックを入れると、アートボード内のオブジェクトも一緒に移動できます。(用紙だけを入れ替えたいならチェックを外す)
ちなみに印刷の順番とPDFに保存した時の順番は同じです。
アートボードのサイズを変更する
左側のツールバーにあるアートボードアイコンをダブルクリックすると、アートボードオプションが表示されます(メニューの「ファイル > ドキュメント設定 > アートボードを編集」からでも可)。ここの「プリセット」で用紙サイズを変更できます。希望のサイズがない場合は、自分で数値を打ち込めばカスタムサイズが作れます。
アートボードを回転する
アートボードの回転(縦向き/横向き)はアートボードオプションの「方向」で選択ができます。
アートボードの名前を変える
アートボードを複数枚使って作業する場合、名前をつけておくと便利です。アートボード名をダブルクリックすれば名称を変更できます。アートボードを移動した場合にすぐ見つけることができるので、ページ番号を振っておくと便利です。
アートボードを削除する
ツールバーのアートボードアイコンを選択し、削除したいアートボードをクリックしてDeleteキーを押します。または、アートボードメニュー(ウィンドウ)で削除したいアートボード名を選択し、右下のゴミ箱へ入れれば削除できます。
アートボードの印刷範囲を表示する
印刷範囲ツールは「基本のツールバー」からは除外されたようですので、「ウィンドウ > ツールバー > 詳細設定」から呼び出しましょう。アートボードアイコンの下あたり、アイコンのデザインがよく似た「プリント分割ツール」というツールです。これを選択した状態でアートボードをクリックすると点枠線が出現します。この四角いボックスが印刷範囲です(プリンターに依存します)。
アートボード内のオブジェクトを整列する(中央配置)
アートボードの中のデータがずれてしまった場合、アートボードに対して簡単に中央配置することができます。ここではアートボードメニューは使わず、「整列ツール」を使います。
まずは整列ツールを呼び出します。メニュー「ウィンドウ > 整列」でこのウィンドウを表示させます。(必要なツールは大体このウィンドウメニューに居ます)
この右下の「整列」のアイコンをクリックすると、オプションが表示されます。「アートボードに整列」を選択。
整列する前に、アートボード内のオブジェクトをすべて選択し、グループ化しておきます(ショートカット「command + G」or メニュー「オブジェクト > グループ」)。グループ化をすることで整列する際にバラバラになるのを防ぎます。
グループ化したオブジェクトを選択し、「オブジェクトの整列」項目の「水平方向中央に整列」と「垂直方向中央に整列」をクリック(いずれも真ん中のアイコン)。アートボードの中央へ整列してくれます。
整列がうまくいかない時にチェックしたい項目
オブジェクトの整列は「バウンディングボックス(選択枠)」の大きさで整列されます。アウトライン化されていないテキストや、余白があるオブジェクトなどは、外側の選択ボックスで整列されるので多少のズレが生じます。オブジェクトをクリックしてバウンディングボックスの大きさを見てみましょう。余白はありませんか?
もしテキストをアウトライン化したい場合は、ショートカット「command + shift + O」でアウトライン出来ます。アウトラインをしてしまうとテキストがオブジェクトに変わってしまうので、文字の打ち直しは出来なくなります。アウトラインについてはこちらのページで解説しています。
アートボードのカラーモードについて
アートボードのカラーモードは2種類です。Webメディア用の「RGBモード」と、印刷用の「CMYKモード」です。カラーモードはメニューの「ファイル > カラーモード」で変更できるので、間違えないようにお気をつけください。
補足:印刷用はCMYK、Web用はRGB
印刷用のカラーモードはCMYK、Web用はRGBです。この二つの違いは重要なので覚えておきましょう。RGBデータで印刷屋さんに出すと、とんでもない蛍光色で仕上がって来る事があるので、必ず印刷の場合は「CMYKモード」になっているかチェックしてください。書類のタブでも確認できます。