WordPressのおすすめバックアッププラグイン「All-in-One WP Migration」と「BackWPup」の二つをご紹介します。どちらもデータベースを含めて丸ごとバックアップを取ってくれるので、テーマ変更やサーバー変更によるお引っ越しにも便利なプラグインです。
どちらも一長一短ありますが、軽いデータを簡単にバックアップしたい場合や、丸ごとお引っ越ししたい場合には「All-in-One WP Migration」、日常的なバックアップは「BackWPup」がおすすめです。
機能的にはAll-in-One WP Migrationが簡単で初心者向けなのですが、アップロードの容量制限があったり、エクスポートを繰り返すたびにサーバー容量を圧迫するなど、無料版では少し制限があります。
両者とも詳しくみていきましょう。
目次
All-in-One WP Migration【引越しに便利なバックアッププラグイン】
All-in-One WP Migrationは、ボタン一つでバックアップのインポートやエクスポートができる手軽さが大きな特徴です。とにかく簡単。サーバーの知識がなくても、WordPressの管理画面内で完結するのがポイント。サーバー間の引っ越しや、テーマ替えのときなどには大活躍します。
ただし、問題が二つあります。データのアップロードの最大上限が「512MB」であることと、バックアップの度にサーバーへファイルを残し、容量をどんどん増やしてしまうことです。
「ai1wm-backups」フォルダによるサーバーの圧迫問題について
All-in-One WP Migrationでエクスポートを繰り返すと、サーバー内にある「ai1wm-backups」というフォルダにバックアップデータが蓄積し、サーバーの容量を圧迫します。対処法は、サーバーにアクセスし、WordPressフォルダ > wp-contentフォルダ > ai1wm-backupsフォルダへ移動し、中にあるバックアップデータを削除することです。放っておくと、ファイルサイズが1GBを超えたりします。
All-in-One WP Migrationの使い方
プラグインの新規追加画面から「All-in-One WP Migration」プラグインをインストールし、有効化します。左側のメニューに「All-in-One WP Migration」という項目があれば成功です。
WordPressのバックアップ&エクスポートは「エクスポート」項目から入ります。
「高度なオプション」はデフォルトのままでOK。エクスポート先はファイル、DropBox、FTPサーバーなど、様々な場所が選べます。ダウンロードする場合は「ファイル」を選択すると、すぐにデータの圧縮が始まります。数秒待つと「(自分のサイトURL)ダウンロード」というグリーンのボタンが現れるので、これをクリック。ダウンロードが始まり、バックアップが作成されます。これで終了です。本当にあっという間に終わります。
【注意】バックアップの際、一部アイキャッチなどの画像が取り込めないことがあります。原因は画像のファイル名が日本語になっている場合らしいので、なるべく画像をアップロードする際には英語名にしておきましょう。
All-in-One WP Migrationのバックアップデータをインポートする
サーバー間の引っ越しや、リセット時に便利なのがインポート機能。新しくインストールしたWordPressに「All-in-One WP Migration」プラグインを追加し、インポートを選択。ダウンロードしておいた「.wpress」ファイルをドラッグ&ドロップでインポートすれば復元完了です。この作業も非常に簡単。
インポートの最大容量を50MBから512MBに拡大する
All-in-One WP Migrationの無料版ではインポート容量に制限があります。初期設定では50MBまでですが、拡張プラグインを使えば512MBまで拡大できます。
「All-in-One WP Migration Import」へアクセスし、Basicをダウンロード。WordPressのプラグイン画面から、新規追加でダウンロードしたファイルをアップロードします(ZIPファイルのまま)。後は有効化すれば、512MBまで増えているはずです。
ただ、512MBを超える容量のファイルはインポートできないため、有料版に切り替えるか、次に紹介するBackWPupを使った方がいいでしょう。
BackWPup【日常的な自動バックアップにおすすめ】
WordPressユーザーの中ではかなり有名なプラグイン「BackWPup」。指定した時間、日程で周期的に自動バックアップが取れるので、かなり便利。バックアップ対象は以下の通り。
- データベースのバックアップ
- ファイルのバックアップ
- WordPress の XML エクスポート
- インストール済みプラグイン一覧
BackWPupの使い方、設定方法
まず、インストール > 有効化したら「新規ジョブ」を選択します。ここが設定画面です。
「一般」タブではバックアップする種類の選択、保存先を設定します。ジョブタスクは初期設定のままで大丈夫です。(データベースのバックアップ、ファイルのバックアップ、インストール済みプラグイン一覧にチェック)
次に、バックアップフォルダの圧縮形式はZIPでいいと思います。MacはTar GZipがいいとの指摘もありますが、どちらでもいいかと思います。
保存方法はいくつも選択できます。フォルダーへバックアップを選ぶと、デフォルトの保存先は「wp-content/uploads」の中です。私はFTPとDropBox両方へバックアップを取っています。Dropboxを選択すると「宛先:Dropbox」タブが追加されるので、そこでログインIDやパスワードなどを設定します。
「スケジュール」タブでは、自動バックアップの設定ができます。
ジョブの開始方法で「WordPress の cron」にチェックを入れると、実行時間を選ぶ画面が現れるので、日程を設定しましょう。
私は「毎月/1日/3時(深夜)」で設定していますが、頻繁に更新される方は「毎週」でもいいかもしれません。
あとのタブは詳細設定なので、デフォルトのままでOKです。保存を押せば完了。
手動で今すぐバックアップを取りたい場合はメニューの「ジョブ」を選択し、ジョブ名の下に出てくるメニューから「今すぐ実行」を選びましょう。バックアップをPCへダウンロードしたい場合は、メニューから「バックアップ」を選択し、ダウンロードをクリックすればOKです。
BackWPupのバックアップデータを復元する
BackWPupで残しておいたバックアップデータは、ダウンロードして復元することが可能です。BackWPupメニューからバックアップをダウンロードし、フォルダを解凍します。あとはサーバーとデータベースへアクセスし、同じフォルダを上書き更新すればOK。
サーバー内にアップするデータは、以下のファイルを除外します。
- backwpup_readme.txt
- backwpup_***.sql〇〇〇〇〇.pluginlist.2019-〇〇-〇〇.txt
- manifest.json
- backwpup_***.sql(データベースのバックアップデータ)
4の「backwpup_***.sql」はデータベース側へアップロードするので、サーバーとは別の作業になります。(サーバーにより異なるので、FAQで要確認)
WordPressの自動バックアップサービスがあるサーバーが一番楽
WordPress内のページや記事などが蓄積すると、とにかくエラーが怖い。バックアップは最重要課題になりますよね。私も1年を経過したあたりまではずっとプラグインに頼っていましたが、なんとなく不安が募るというか、、そろそろちゃんと有料でバックアップを取った方がいいと思い始めました。
そんなときにちょうど出会った新しいサーバー「ConoHaWing(コノハウィング)」が、無料で自動バックアップが取れると書いていたので、すぐに乗り移りました。
正直、エックスサーバーに移る気満々だったのですが、エックスサーバーでは自動バックアップの復元は有料。でもConoHaWingは無料。さらに最速を謳っていて、移行も簡単、ドメイン永久無料とくれば、こちらを選ぶでしょう。さらにキャンペーン価格なら安い。
WordPressでは、テーマやプラグインなどの更新の際、互換性の問題などでデータが壊れることもよくあるみたいなので、バックアップに重点を置くのは一番大事なことだと思います。もし興味があればぜひ。
ついでにデータベースのお掃除を自動でしてくれるプラグインもご紹介しておきます。不要なデータが詰まって重くなったデータベースを、必要なデータだけ残してお掃除してくれます。バックアップの容量が増えすぎた時に活躍します。
データベースを自動で最適化する「WP-Optimize」
このプラグインはデータベースのいらない情報やゴミを探し出し、自動的に消してくれるシステムです。削除する周期や保管期間なども自分で設定できます。
ここでちょっと疑問。そもそもデータベースには何が入ってて、どれほど重要なのか気になるところですよね。細かいことは抜きにして、ざっくりデータベースの中身について調べてみました。
- コメント関連
- リンクデータ
- wordpressの設定
- 投稿のメタ情報
- 投稿、固定ページ、カスタム投稿
- カテゴリ、タグ、スラッグ
- プラグイン
- ユーザー情報
だいたい核となる部分が入ってるようなので、データベースの重要さは理解できました。このリストに関連するいらないキャッシュやデータなどを取り除き、最適化してくれるようです。自動保存された下書きやゴミ箱の中なども含まれるそうです。
「WP-Optimize」の使い方と設定
まずは自動設定をします。プラグインの新規追加から「WP-Optimize」をインストール後、有効化。左側のメニューに「WP-Optimize」項目が出現しますので、この中の「設定」を選択します。
上から「ステータス」「一般設定」「Scheduled clean-up settings」「Logging settings」「トラックバックとコメントのアクション」セクションがありますが、「ステータス」はクリーンアップ履歴の部分なので、まだ初期状態では何もないかもしれません。
いじるのは「一般設定」「Scheduled clean-up settings」の二つ。他は一旦無視です。
一般設定
まず、データベースの保管期間を設定します。しまった!要るはずのデータが消えてしまった!とならないよう、クリーンアップ周期より多めに設定しておきましょう。私はクリーンアップ周期を1週間(毎週)にしているので、余分めに「直近2週間分のデータを保持する」ように設定しています。
これでクリーンアップ前とクリーンアップ後のデータが保管されるはずです。
Scheduled clean-up settings
ここで自動クリーンアップを設定できます(手動と自動が選べる)。自動にしたい場合は、「Enable scheduled clean-up and optimization (Beta feature)」にチェックを入れます。※手動の場合は左側のメニューにある「Database」から最適化を行います。
次に、クリーンアップ周期を決めます。私は「毎週」にしていますが、そこまで更新していない場合は「毎月」でもいいと思います。
その下にあるリストは削除する項目です。私は下記の4つにチェックを入れてます。
- 自動リビジョンを削除(自動保存されたデータの削除)
- Remove auto-draft posts(記事の自動保存下書きデータの削除)
- Remove trashed posts(ゴミ箱内の投稿を削除)
- Remove spam and trashed comments(スパムとゴミ箱にあるコメントを削除)
勝手に自動保存してくれる下書きデータが結構溜まっていることがあるので、これは削除しておきましょう。逆に考えれば、データが残っている状態なら復元できるということですね。
これで「設定を保存」ボタンをクリックすれば、今日から自動的にクリーンアップが始まります。
WordPressサイトを削除する方法は下記の記事でまとめていますので、必要でしたらチェックしてくださいね。