先日、Webの現場で働く方々と雑談をしていたところ、ちょっと気になる話題が出ていたので情報共有です。
Webの制作現場でクライアントが抱える悩みの一つ「思ったようにアクセスが伸びない」といったSEO関連の話題。Webデザイナー側の提案なのか、クライアント側の要望なのかは謎ですが、どうやらその原因は「検索エンジンに引っかからないwebサイト」もしくは「非常に使いにくいサイト」というところかもしれません。
SEO対策にはテキストが最重要
ありがちな問題点は、とにかくWebサイトの見た目にこだわりすぎ、中身がない場合。具体的に言うと、コードの骨組みがうまく行ってない場合と、画像を多用したグラフィックに頼り、htmlの中身がスカスカな場合。
中身の無いサイトでは、検索エンジンのクローラーがサイトに訪れた際、「このサイトは一体何を説明しているサイトなのか」と言うことが伝わらず、ユーザーにとって価値の低いサイトと認識されることになります。
きちんと伝えたいキーワードは見出しタグで分ける、カテゴリーはsectionタグで分けるといった細かいマークアップをして、文章も的確に入れて、初めてクローラーにサイトのことを理解してもらうのです。
ヒーローヘッダーを使う際にはタイトルを忘れずに
トップページを一枚の画像で魅せる「ヒーローヘッダー」。画像を見せたい場合には有効なデザインですが、テキストがある場合は必ずpositionなどを使ってコードで書くことをお勧めします。そして画像にはaltタグで説明を入れること。一枚の画像をペタッと載せるとただのimg情報だけになってしまうので、この画像は何の画像なのか、そしてこれは重要なのか、判断ができません。気をつけたいところです。
スライダーの多用はあまり意味がない
スライダーを沢山載せたがる人がいるようですが、自分がWebサイトを訪れる時のことを思い出してみてください。3枚目以降はよっぽどじゃないと見ないはずです。下手すれば1枚目しか見ないかも。必然的に、スライダーの枚数を増やしたところであまり意味がないと思います。それならいっそ画像をコマで並べた方が目につくでしょうし、すぐにそのページへ飛ぶことができノンストレスです。トップページに入ってからスクロールまでの時間は非常に短い。スマホの場合は顕著です。LPの方が見やすいです。
そのデザインはユーザーファースト?
オリジナリティーにこだわり過ぎて、本来の使いやすさから外れたサイトが出来上がってしまうことがあるようです。100万円単位の高いお金を払っているにも関わらず、非常に使い勝手が悪く、何度も作り直すことになり、制作会社を転々とする話をよく聞きます。
なぜこういうことが起きるのか。理由は二つ考えられます。クライアント側がデザイナーの意見を無視してしまう場合と、そもそもデザイナー自体がダメな場合。デザイナーがダメな場合というのは、自分が作りたいものを推し進めるがゆえに、アーティスティックな動きや構造にこだわりすぎてめちゃくちゃになることがあるようです。Webデザインの場合はアートで考えると恐ろしく使えないサイトになってしまう恐れがあります。
例えばキャンペーンサイトのように、何度も訪れることがなく、インパクトが必要な場合はアート性を出す方がいいかもしれません。他には、高級ブランドやアパレルといった「センスやイメージ」を売りにしている場合なども合っています。しかし、「こういう情報が欲しい」と明確な理由があって訪れるユーザーがメインの場合、その課題をクリアしてくれないとすぐに離脱されてしまいます。
Webサイトを作る目的と、達成目標を決めておかなければ、どんなアプローチがいいのかなんてわかりません。「今風」で「おしゃれな」だけのサイトは簡単に作れますが、誘導と動線を意識したデザインこそWebデザインの大事なポイントです。見た目はその後のお話。
高価なWebサイトデザインとは
高価になりがちなWebサイトとは、独自システムの導入と創作性の高いデザイン設計だと思いますが、そもそもそんなに高価なシステムが要るのか、そこに創作性は要るのか、色々と検討した上で作り上げていった方がいいです。見た目やUIも大事ですが、結局のところクローラーが見ているのはコード(文書)の部分。近年注目されているWebサイトはコンテンツに価値を置いており、内部リンクも多く、記事(読み物)が多い仕組みになっています。ここがWebでの価値になります。
そして運用費。更新するコンテンツがない場合の運用費は、そこまでかかるものではありません。毎日更新してサイトの価値を上げる、html5などに適応させていくなど、運用コストがかかるのはサーバー、ドメイン、システム、人件費。訪問数にもよりますが、どれだけ高くてもサーバーとドメイン代合わせて3〜5万円以内。あとはセキュリティにかける費用。正解もないし、やり方もそれぞれなので、一概には言えないけど中身はきっちり確認した方がいいですね。
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