長年イラストレーターを使っていると「こんな機能が欲しいな〜」と思うことが結構あります。例えばラフの段階で制作するとき、テキストボックスに流しで適当に文章を入れたものの、後々改行ごとに分割したくなるときとかないですか?
イラストレーターにはそんな便利な機能はないんですが、スクリプトというプログラムを追加すれば機能を追加したりしてカスタマイズできるんです(知ってました?)。Adobeから公式で配布されているスクリプトはないんですが、一般の職人さん達(主にDTP)がイラストレーターでの作業効率を上げるために開発したオープンソースプログラムです。
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改行の位置でテキストを分割できる
デザインを作り込む前のラフ段階では、とりあえず流し打ちでテキストを置いていくことも多いと思います。でも、後々の作業の効率上、テキストを分割しなきゃいけないときってありますよね?そんなとき、わざわざ手作業で分割しなくても、改行ごとに分割ができるスクリプトがあるんです。
例えば、こんな感じでナンバリングを作るとき。
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いちいち一個ずつ作っていては効率も悪いし、まず改行でバババッと打っていくのが普通だと思います。ただ、デザイン上これを分解しないといけないことがあるんですよね。例えば下に入るテキストの量が均一出ない場合とか、ページを跨ぐときとか。
これを一瞬で切り離す魔法のスクリプトが、私が昔から重宝している「テキストばらしAI」です。
テキストばらしAIのダウンロード方法
テキストばらしAIはこちらのページからダウンロードできます。下の「無料ダウンロード」と書かれている緑色のボタンをクリックしてダウンロードスタート。
ダウンロード後、Zipファイルを解凍すると中に「テキストばらし.jsx」というデータがあるので、これを使います。
Illustratorにスクリプトを追加する(プリセットの追加)
次に、Macのファインダーから「アプリケーション > Adobe Illustrator 2020 > Presets > ja_JPフォルダ」へ移動します。この中にある「スクリプト」というフォルダに、先ほどの「テキストばらしAI.jsx」を入れます。これで設置は完了です。
Illustratorでスクリプトを呼び出す
Illustratorのメニュー「ファイル > スクリプト」へ移動すると、先ほど追加した「テキストばらしAI.jsx」が選択できるようになります。(確認できない場合は再起動を)
使い方は、改行したいテキストを選択し「テキストばらしAI.jsx」スクリプトを選べばOK。クリック一つでバラバラに分割されます。
注意:テキストボックス内では分割できない
このスクリプトは「改行に対して分割する」ものなので、テキストボックスに入れた一行の流し打ちテキストは分割できません。分割したい場所には必ず改行を入れましょう。
Illustrator(イラストレーター)の設定を共有する【個別の設定】
イラストレーターを複数のMacで使っている場合は、「個別の設定」を使ってプリセットやフォントなどを移行することができます。今回入れたテキストばらしAIスクリプトもこの方法で複数のMacに共有できます。
移行方法は簡単で、イラストレーターのメニュー「編集 > 個別の設定 >設定の書き出し」で設定を書き出し、もう一方のイラストレーターを立ち上げ「編集 > 個別の設定 >設定の読み込み」で先ほど書き出したファイルを読み込こむだけで移行が完了。
AdobeはCreative Cloudで共有できるかと思いきや、手動なんですね。忘れがちな設定の共有。