いよいよ2020年の幕開けです。東京オリンピックが始まるこの年は、どんなデザインが溢れてくるのでしょうか。海外から流れてきた2020年のトレンドカラーとトレンドデザインをチェックしましょう。
(アイキャッチ:inspirationGrid)
目次
2020年のトレンドカラー【by PANTONE】
PANTONEが2020年のトレンドカラーを発表しました。今年は「Classic Blue」です。
2020年の流行色は「Classic Blue(クラシックブルー)」
2019年の「Living Coral」とは大きく変化のあるブルー。テクノロジーが生活により密接になっている今、競争よりも信頼を表す静寂とリラックスを表すカラーが選ばれました。
Classic Blueとのハーモニクスは以下の通りです。
PONDER(瞑想的な静寂)
SNORKEL(熱帯のシュノーケル)
DESERT TWILIGHT(砂漠のトワイライト)
EXOTIC TASTES(自然な健康&セルフケア)
UNTRADITIONAL(ユニークな組み合わせ)
2020年のテーマカラー:瞑想的に広がる砂漠の風景
2020年のハーモニクスはブルー系とベージュ系のミックスです。砂漠の夜を表す瞑想的な色は、中東的な情緒もあり、異国感が漂っています。明るくて弾けた感じはなく、全体的に上品な仕上がりです。個人的に注目していた「緑×ピンク」の組み合わせも入っていました。都会の洗練されたカラーというより、どこか南の香りがする伝統色的な色合いです。
メタリックカラー(3Dデザイン)がいよいよピークに
グレイッシュなメタリックカラーが今風です。個人的にメタリックカラーは推しです。いわゆる原色のメタリックカラーというよりも、グレイッシュや蛍光色をベースにしたメタリックが今っぽい。素材感(テクスチャー)を感じさせる立体感という意味で、グラフィックのトレンド傾向である3Dも含まれています。
2020年のグラフィックデザイントレンド
2020年のデザイントレンドは「素材感」「テクスチャー」だと予測します。逆に90年代に流行した「透明」「スケルトン」も時を経て来てそうな感じです。水とかシャボン玉の淡い虹色とか、近未来的なメタリックが気になります。下記で海外のグラフィックデザインのトレンドレポートをまとめてみます。
芸術的なタイポグラフィ
2019年からビッグタイポグラフィがトレンド入りしていましたが、2020年はさらにデコラティブになります。フォントを一文字ずつ変えて組み合わせたり、オブジェクトとして使ったり、芸術性の強いタイポグラフィがトレンドになります。
マスク(テキストやブラシ)
ブラシストロークやテキストなどを使ったマスクが流行です。曇りガラスを手で擦ると、向こう側の景色が見えるようなあのイメージです。今ある世界から違う世界が見える、という奥行きのあるデザイン。テキストマスクの方法は過去記事で解説しています。早速来ました、トレンドの作り方。
オーガニックグラフィック(透明化)
安全性をイメージさせるオーガニック系デザインが定番化しそうです。透明感のあるイメージや、過度な加工のない写真、スケルトンのパッケージなど、ナチュラルさを感じさせるグラフィックが求められています。
シンプルなイラスト
単純化されたシンプルなイラストが主流です。ライン画も引き続きトレンドです。あっさりとした塩系デザインはこれからずっと続きそうです。
ラフなカラーリングと配置
わざとはみ出したり、線を繋がなかったり、色の配色が歪だったり、まるで素人が作ったかのようなビジュアルも流行っています。ここで忘れてはいけないのは、きっちり決めるところは決めること。タイポグラフィは綺麗であるとか、レイアウトがバチっと決まっているとか、洗練要素も必要です。
パターン(柄)を使った塗り
イラストや背景の塗り部分にパターン柄を持ってくる方法です。柄をいくつも組み合わせたり、配色を変えて重ねたり、高度な技術が必要ですが、最近よく見る手法です。パターンを選ぶセンスも重要。
3Dデザインとメタリック
ここからは2019年から引き続いているトレンドです。メインビジュアルが浮き出た3Dデザインが量産されています。金属素材の使用も同じく。また、等角図を使ったイラストなども3Dからの流れです。3Dデザインとメタリックカラーは2020年にピークを迎えると予測されています。
レトロカラー
80年代のポップアートを思わせるレトロカラーがどんどん出てきました。この頃は印刷が主流だったので、ビビッドカラーでも少し黒ずんでいるのが特徴的です。レトロカラーと合わせてトレンド入りしているのが単色デザイン。1色や2色の特色を使ったデザインは、ファッショントレンドが繰り返すように現れます。
幾何学オブジェクトと構図
四角、丸、三角といった直線的な構図割りがおしゃれです。幾何学オブジェクトでマスクをかけたり、色んな使い方ができます。ポイントは多次元的な雰囲気が作れるかどうか。まるで時空の裂け目のようなカットが今っぽいです。
滑らかでソフトな曲線
幾何学とは正反対となる流線型と柔らかい曲線。特にデジタルデバイスの世界では水が揺れるようなリキッドデザインが大流行です。未来に近づけば近づくほどデザインは丸みを帯びてくる。どんどん緩やかな曲線が多用されるようになっています。
ミレニアル世代からアルファ世代へ
マーケティングのコア世代も変わろうとしています。「ミレニアル世代」と呼ばれる”物心がついた頃にスマホがあった世代”から、生まれた時にiPadやインスタがあった「アルファ世代」へと移り変わっています。多方面でのデジタル適応化(インタラクティブ化、レスポンシブ化)を期待する世代です。siriなどを利用した自分の相棒的AIを持つようになりそうです。マルチタスク化も必須。色んな物を持って歩く必要もなくなるかもしれませんね。