Illustratorの使い方をまとめた記事です。イラレでこんなことができるよ!という具体的な制作方法や機能の使い方がメインです。実際にIllustratorを何年も使っているからこそわかるマニアックな部分や、覚えておけば便利な機能、効率的な使い方、デザインの実践的な作り方などをピックアップしていきたいと思います。
私自身がもっと早く知りたかったこと、Illustrator初心者の人によく聞かれることなどもカバーできたら嬉しいです。Adobeの公式サイトでは見えてこない地味な裏技とか。
これからIllustratorを使う初心者の方にもわかるような基本操作と応用編を、思いついた順で書き残しています。記事が増えれば追って更新していきます。
目次
1.Illustrator(イラストレーター)のアートボード設定
Illustratorの基本、まずはアートボードの設定です。いわゆるページ設定ですね。Illustratorでは、作業スペースのことをアートボードと呼びます。アートボードは何枚も作ることができ、同時にたくさんのデザインを作りながら作業ができます。サイズの変更、複製、整列、回転、削除など、アートボードの詳しい使い方をここにまとめています。
また、最近ではドキュメントタブを分割できるようにもなっています。ウィンドウ左上にあるホームアイコンの右側の「ドキュメントレイアウト」です。複数のタブを並べて表示できるようになりました。
2.Illustrator(イラストレーター)で美しい文字(テキスト)を作る
Illustratorの文字パレットは、簡単なようで複雑です。フォントのサイズや種類、文字間から行間まで、とにかく細かく作り込むための設定がたくさんあるので、最初は戸惑うかもしれません。ショートカットキーを頻繁につかうのもこの部分で、慣れれば爆速で仕上げることも可能になります。イラレを極めていくと、最終的に文字の大切さに気づくでしょう。基本的な文字組み、文章を綺麗に見せるコツなど、文字のテクニックを解説します。
テキストツールと文字組みテクニック
テキストボックスと文字組み設定
長文の文章は、テキストボックス(箱打ち)と呼ばれるツールで文字を作ります。テキストボックスの文章を綺麗に作るには、とにかく文字組み設定が鍵。そのまま流し打ちするだけの日々を卒業し、変な余白が目立たない文字設定を覚え、ステップアップしましょう。雑誌や本のようにきれいなエディトリアルを作ることで「さすがイラレ!」というのが実感できます。
行を分割するスクリプト(外部のフリーツール)
文字(テキスト)を作ることに慣れてきたら、もっと効率よく文章を作るためのスクリプトにも注目してみましょう。スクリプトとは、Illustratorに新しい拡張機能を付け加えるプログラムです。たとえば改行ごとにテキストを分割してくれるスクリプト「テキストばらし」など、イラレ賢者が開発した知る人ぞ知る独自のスクリプトを紹介します。
3.Illustrator(イラストレーター)で画像を編集する
Illustratorでは、頻繁に画像を使います。画像の加工は基本的にPhotoshopのお仕事ですが、簡単な切り抜き作業やトリミングなどはイラレ側で行います。
画像を切り抜く(クリッピングマスク)
Illustratorで一番覚えておきたいのが、画像をオブジェクトの形に切り抜く「マスク」というトリミング機能です。好きな形で画像をトリミング。文字の形に切り抜くこともできますよ。
印刷に耐えうる画像の解像度とサイズを理解する
Illustratorで画像を扱うとき、解像度もちゃんと気にしていますか?知らずに変形してしまうと、とんでもないことになりかねません。Photoshopで解像度を編集しても、イラレでの扱い方を知らなければ解像度が足りなくなってしまうこともあります。印刷してから「あれ?解像度は足りてるはずなのに画像が荒い?」と失敗する前に、しっかりと解像度とサイズの関係を知っておきましょう。
4.Illustrator(イラストレーター)でイラストを作る
Illustratorでイラストを描く方法は色々あります。パスツールを使って描いたり、ブラシを使って描いたり。簡単な図形やアイコンならパスツールで描けますが、複雑なイラストを作りたいならペンタブとブラシを使いこなせるように練習した方がいいかもしれません。
ブラシツールを使ってイラストや文字を書く
パスツールを使ってベジェ曲線を描く。これがオブジェクトを描く基本ですが、慣れてきたら今度はブラシを使ってみませんか?鉛筆やマジックのようなブラシツールを使って、雰囲気のあるイラストや文字を作りましょう。トレンドの手書き風イラストもこれで解決!
ペンタブの筆圧を使ってイラストや文字を描く
マウスで描くことに限界を感じたら、ペンタブを使って自由にイラストを描いてみましょう。今のペンタブは筆圧を感知するので、リアルに描いているのと変わらないくらい感覚的に使えます。Illustratorのブラシ機能と一緒に使うことで、マジック風や書道風など、表現の幅が広がります。
オートトレースで手書き風のイラストや文字を作る
紙に書いた絵や文字などをスマホで撮影し、Illustratorに取り込みむことでトレースができます。画像をオブジェクト化したいときに便利なオートトレース機能です。今流行りの手書き文字や、線がギザギザしているラフ感のあるイラストなどは、トレースで作ると簡単です。
パスファインダーでオブジェクトを合体、分割する
オブジェクトを合体したり、切り抜いたり、分割したりするときは、パスファインダーを使うと効率的です。ロゴマークやイラストを作る上で、パスファインダーを使いこなすことは大事。複雑に重なり合ったレイヤーを一つのレイヤーにまとめたり、オブジェクトを簡易化したり、線と塗りに分けたり、いろんなことができるようになります。
5.Illustrator(イラストレーター)で立体的なイラストやデザインを作る
平面のイラストが作れるようになれば、今度は立体的なイラストやデザインを作ってみませんか。立体的なイラストやデザインを作るには、色の知識と技術が必要です。
グラデーションツールで複雑な色を作る
複雑に混じり合った色を作るには、グラデーションツールを使います。Illustrator2020からフリーグラデーションツールが加わり、水彩画のようなグラデーションが作れるようになりました。まずは基本の線形グラデーションの使い方をマスターし、そこから様々なグラデーションツールを使いこなせるようになりましょう。
ブレンドツールで立体的なボトルを作る
グラデーションツールでは表現しにくいボトルなどの立体オブジェクト。これはブレンドツールを使って作るのがおすすめです。四角や丸以外の曲線図形も、ブレンドツールを使えば立体化できます。モックアップ制作に便利です。
ポラロイド風の写真イメージと落書き風の文字を作る
ドロップシャドウや透明効果を使い、ポラロイドカメラで撮った写真風のイラストを作ってみましょう。立体的に見せるために、影は重要なファクターです。水性ペンで落書きしたような質感も、描画モードを操れば簡単に作ることができます。
6.Illustrator(イラストレーター)を効率的に使う
Illustratorでの作業をもっと早く、効率的に作れるようになるために、ショートカットキーや便利な時短テクニックを使いこなしてみましょう。プロが駆使する効率的な使い方をマスターすれば、今までの作業量が劇的に減ること間違いなし。
ショートカットキーを活用して制作を効率化する
制作現場のデザイナーたちは、Illustratorのショートカットキーを使いこなしています。右手にマウス、左手の親指はCommandキーの上。オブジェクトのロックやアウトライン、パスの合流、マスクなど、よく使う作業のショートカットキーは絶対に覚えておいた方が楽!
スポイトツールを使って色やフォントをコピー&大量生産する
スポイトツールは特に優秀なツールです。スポイトツールで抽出した色や文字は、そっくりそのまま別のオブジェクトやテキストにコピーすることができます。フォントや文字サイズ、文字間、行間、色、グラデーションなども簡単に複製が可能。スポイトツールで一発コピーだ!
Illustratorの動作を軽く速くする整理術
Illustratorのデータが重くてフリーズしてしまう、、いつかそんな場面に遭遇すると思います。画像は配置にしてる?バグフォントは入ってない?フィルター効果はラスタライズしてる?保存形式や設定はカスタムしてる?イラレデータの動作が重く感じたら、まずはここに書いてある「イラレを重くする原因」について知り、それぞれに当てはまる解決法を順番に試してみましょう。
Illustratorをクラウドで共有する
Adobe CCのクラウドドキュメントやクラウドライブラリを活用することで、素材を共有したり、データを早く書き出したりすることができます。
7.Illustrator(イラストレーター)で入稿データを作る
Illustratorで作ったデザインデータを印刷するには、入稿用のデータに仕上げる必要があります。完全データを作るためのルールを知っておきましょう。
基本的な入稿データの作り方(チェック項目と注意点)
Illustratorで入稿データを作る時のチェックリストです。3mmトンボと塗り足し、文字のアウトライン、画像の処理など、入稿時に確認しておきたい項目をまとめています。印刷業者のWebサイトに載っていた入稿マニュアルがイマイチよくわからない場合は、こちらをご覧ください。どんな印刷屋さんでも通用する入稿データの作り方です。
文字(テキスト)やパス、ブラシをアウトライン化する
「入稿データの作り方」にも書いていますが、入稿用のデータを作る時にテキストのアウトライン化は必須です。アウトライン化されていないデータを渡してしまうと、フォントが置き換わったりすることもあり得ます。文字情報は必ずアウトライン化すること。また、プリンターで出力するときにもなるべくアウトライン化すること。
特色印刷の入稿データを作る(DICやPANTONE、カラーブックを使った色指定)
紙の印刷は、オフセット印刷(CMYK4色の掛け合わせで印刷)が定番ですが、Tシャツやマグカップ、エコバックなどのグッズを作る場合は、特色印刷(シルクスクリーン印刷)という印刷技法を使うことが多いです。特色印刷とオフセット印刷では、入稿データの作り方も多少違います。Illustratorで特色印刷用のデータを作る方法はこちらの記事を参考にしてみてくださいね。
画像や効果をラスタライズ&アピアランスを分割する
埋め込みした画像やぼかしなどの効果を軽くするために、ラスタライズをすることがあります。また、ブラシなどのアピアランスも分割することで、入稿時のトラブルを防ぐことができます。
まだまだ伝えきれていませんが、イラレは機能が多すぎてどこから手をつけていいやらですね。他にも記事が増えたら更新していきます。リクエストとかあればぜひ。