ポラロイド風のデザインをイラストレーターで作ってみます。ポラロイド風のデザインはいつの時代でも使うことができる万能素材の一つ。フォーマットを作っておけば色んなところで使い回しもでき、重宝できる素材になるので、ぜひ一緒に作ってみましょう!
目次
ポラロイド風デザインをイラストレーターで作る方法
雑誌やカタログなど、色んなところで目にすることも多いポラロイド風のデザインやレイアウト。Photoshopで簡単に作ってもいいですが、画像データで作るよりもベクターデータで作った方が後々何かと便利なんですよね。
イラストレーターでも簡単に作ることができるので、練習がてら作ってみましょう。結構色んな機能を覚えることもできるので、ざざっと解説していきますね。
ポラロイド風の台紙を作る(長方形ツールでサイズ指定する)
まずは台紙となる部分を作っていきます。ポラロイド社の台紙サイズは「縦108mm × 横88mm」なので、その通りに長方形を作りましょう。
では、イラストレーターのツールバーにある「長方形オブジェクト」を選択し、アートボードの余白をクリックします。幅と高さを入力する画面が出てくるので「幅88mm」「高さ108mm」と入力し、OKを押します。
できた台紙部分に色をつけます。台紙は白色ですが、アートボードも白色なので、少し差をつけるためにライトグレーにします。カラーパレットのCMYK値のKだけを5%に設定します(CMYは0%)。
台紙に画像を貼る(整列ツールでセンター合わせ)
次に、台紙に画像を貼ります。まずは画像をマスクするための長方形を用意します。先程と同じ要領で「幅77mm」「高さ79mm」の長方形を作りましょう。色はなんでもOK。
出来た長方形二つをセンター合わせにします。二つの長方形を選択した状態で、上のコントロールバーから「水平方向中央に整列」をクリック。要は左右センター合わせです。
上の余白は横と同じくらいに合わせておきます。
画像をマスクする
まずは画像をドラッグ&ドロップしてアートボードに配置します。ここで大まかに画像のサイズを調整しておきます。
配置した画像の上に、先ほど作った二つ目の長方形(マスク用)を持ってきます(長方形は動かさずに)。画像の切り取り位置はあとでいくらでも変更できるので、適当でいいです。 だいたいこんな感じになってるはず。
白い台紙→画像→マスク用の長方形の順で上に来ていればOK。
次に、画像と長方形だけを選択し、ショートカットキーの「command+7」で画像をマスクします。(メニューの「オブジェクト > クリッピングマスク」でも可)
画像の位置を調整したい場合は「ダイレクト選択ツール」を選択し直し、画像をドラッグすると好きな位置に移動できます。
もうこれで出来たも同然です。もう少しリアル感を出すために、影をつけます。
台紙に影をつける(ドロップシャドウ)
画像の後ろにある台紙を選択し、メニューの「効果 > スタイライズ > ドロップシャドウ」へ移動します。
描画モードは乗算を選びます。乗算を選ぶと、台紙の後ろに来る背景が変わっても影が浮かず、馴染みます。
X軸オフセットは左右へのブレ、Y軸オフセットは上下のブレです。マイナス数値にすると左上へ移動します。
ぼかしは影のサイズ。影を大きくしたければ数値を大きくすればOK。カラーは影の濃さですが、薄めの方がリアルさが出るかと思います。
わからなければデフォルトで大丈夫です。プレビューにチェックが入っていればライブビューできるので、チェックしながらいじるといいですよ。
これでポラロイド風の写真が出来ました!簡単〜!
おさらいすると、きれいに作るポイントは3つ。
- 台紙のサイズと色はきちんと作り、オリジナルに近づける
- 台紙と画像は整列してセンターに合わせる
- 陰影をつけてリアルさを出す
続いて、落書きしていきましょう!
サインペンで落書きしたような文字を作る(透明効果と描画モード)
ポラロイドといえばマジックやサインペンでの落書きですよね。結婚式や二次会でよくあるチェキのメッセージや落書き、あんなイメージです。
デザインで考えると、旅行系のマップとか、レポートとか、レストランのメニューとか、色んなところでこのデザインは使えると思います。ターゲットが女性向けなら特に生きるかも。
このサインペンで書いたようなフリーハンド感を出すには、ペンタブがあったら非常にリアルさが出て簡単に作れます。5000円くらいの格安ペンタブも売ってるので(今私が使っている)、よかったらこの機会に手に入れてみてはいかがでしょうか。
イラストレーターでマジック風のペンを作るには、ブラシツールの「丸筆(5pt)」を使います。マジックやサインペンって、基本的には透明インクですよね?なので、インクが重なったところは濃くなるはずなんです。そこで使うのが透明効果の「乗算」です。
イラストレーターの透明効果を理解する(様々な描画モード)
イラストレーターではオブジェクトを透過させる様々な効果があります。まずは透明パレットを呼び出しておきます。(メニュー「ウィンドウ > 透明」)
次に、ツールバーでブラシツールを選択し、軽くドラッグして適当にブラシで線を描いてみます。今、私の画面はこんな状態になっています。
落書きを作る時に使う場所をピンクで囲ってみました。この中で「線の太さ」と「透明の描画モード」「カラー」を色々変更しながら作っていきます。
透明の描画モードが「通常」の場合は、ポスターカラーで描いたようなくっきり系の文字が作れます。
マジックや水性ペンは透明なので、描画モードを「乗算」に変更します。ちょっとの変化ですが、下の背景に色が沈んで馴染んだのがわかりますかね?
乗算モードは背景の色を拾うので、インク(水性でも油性でも)とほぼ同じ出方をします。色を薄くすると蛍光ペンのような雰囲気が作れるのも便利。(不透明度を60%くらいに下げても同じような結果になる)
細いペンにしたければ、線の太さを0.3〜0.5ptくらいに変更すればそれっぽくなります。
下のポラロイドの落書きで使った描画モードは4つ。
- ソフトライト(TRIPの後ろの白いベタ文字)
- オーバーレイ(say!sea!sing!のオレンジ文字)
- 覆い焼きカラー(海とさかなたち)
- 乗算(その他全部)
描画モードはペンの色(淡色と濃色)によっても出方が変わるので、画面で見ながら使い分けるといいですよ。