Photoshopを使った画像の色補正について。
十人十色のやり方があるPhotoshopでの色補正。例えば、多くの人はまず「トーンカーブ」を使って露出や色の補正をすると思いますが、私はトーンカーブを使わない派です。理由は、あまり好きじゃないのと、使いにくいからです。
私に限って言うと、トーンカーブを使わず、まず初めに「レベル補正」で露出(明暗)を調整し、次に「カラーバランス」を使って、ハイライト・シャドウ・中間色の3つの色相を細かく補正していきます。
それでも画像によっては、部分的に色が揃わなかったり、暗い場所が残ってしまったりします。
さて、この問題をどうするか。こうなると手作業で色を整えていくしかないです。いわゆる画像加工ですね。
目次
色補正1:カラーノイズを取り除き、彩度を整える
まず、この画像を見てください。お皿の縁の部分が青く変色しています。
これはカラーバランスで色補正をした際、電球色の黄色を消すために青色を足したことで起きた弊害です。
なぜ一部だけ変色したのかというと、左側からは自然光、右側からは黄色い電球色の照明光が入っており、左右で色のバランスが違ったからなんですね。
全体の黄色を消すために青系補正をすると、自然光が当たっていた左側だけ青く色残りが発生するというわけです。
【個人で綺麗に撮影するポイント】
光は自然光が一番!なるべく窓際か外で撮影し、部屋の中の照明は消しましょう。朝方10朝くらいまでなら青っぽい光、昼前後は綺麗な自然光、15時を過ぎる頃には黄色っぽい光に変化するので、一日を通して撮影する場合には撮影時間に気を付けること。ライトがあれば光を一定に保つことができるので便利。
ということで、全体補正のあと、変色した部分だけを補正していき、全体を同じ色にまとめます。
まずは、青い部分の彩度を落とし、色を抜きます。お皿は白なので、なるべくモノトーンよりにしていき、周りの色と調和させます。
画像の彩度を部分的に落とす【スポンジツール】
部分的に色(彩度)を落とす場合は、スポンジツールを使います。(覆い焼きツールの後ろに隠れてるので、長押しドラッグで表示させる)
コントロールバーで詳細設定ができるので、ブラシの硬さを柔らかめに、流量を半分くらいに設定しておきます。
ブラシと流量を変化させるとこうなります↓
☑︎ブラシが硬い…境界線がくっきり出る(馴染まない)
☑︎ブラシが柔らかい…ぼかし効果で馴染みやすい
☑︎流量が多い…一度でしっかり効果が出る(失敗が多い)
☑︎流量が少ない…何度も繰り返し、効果を重ね塗りする(失敗が少ない)
一気に変化させずに、様子を見ながらドラッグして色を抜いていきましょう。
仕上がりはこんな感じ。
最初と比較すると、青かった縁(一番端)の部分が少し白く変化しました。
でも、ブルーフィルターはかかったままなので、あまり大きな効果はなかったようです。
では、次の手を使います。いっそ色を補正するのではなく、上から塗り直して合成します。
色補正2:コピースタンプツールで対象物をコピーし、合成して白いお皿を作る
変色した部分を、周りの合わせたい色で塗り替えます。ここで活用できるのは「コピースタンプツール」か「ブラシツール」です。
まずは、コピースタンプツールを使って周りの色と馴染むように塗り替えていきたいと思います。
ツールバーでコピースタンプツールを選択。
コントロールバーで設定をします。なるべく柔らかくし、不透明度は50%くらい。不透明度を下げると徐々に変わっていくので馴染みがよくなり、失敗も少ないです。
次に、「option」キーを押しながらお皿の白い部分をクリックし、色(というかお皿)をコピーします。
※コピースタンプツールは色をコピーするのではなく、画像そのものをコピーするツール。本来は合成などに利用します。
あとは、コピーした部分をお皿にのせ、馴染ませて完成。
成功です。いい感じに白く変化しました!比較するとここまで違う。
色補正3:ブラシツールで色を塗り替え、白いお皿を作る
コピースタンプツール以外にも色を塗り替える方法はあります。ブラシツールで上から色を塗っていく方法です。
補正するのは下の画像の白い部分。ちょっとわかりにくいですが、うっすらとグリーンに変色している部分があります。
このグリーンっぽく変色した部分に白い絵具を塗るイメージで、真っ白に塗り変えたいと思います。
まず、ツールバーの「スポイトツール」を選択し、お皿の白色の部分をクリックして自然な白色を抽出。これでブラシの描画色が作れます。(色ブレを防ぐため、必ずお皿の白い部分から抽出すること)
次に、ツールバーの「ブラシツール」を選択し、コントロールパネルで詳細を設定します。
ここで大事なのはブラシの硬さ。0%にすると、ふんわりと白色を足していくことができ、周りとの馴染みも良いです。失敗したくなければ不透明度を下げて徐々に調整してもOK。
この状態で、お皿の白くしたい部分をドラッグしていくと、、、
いい感じに真っ白に変わりました。元の画像と比較するとはっきりとわかります。
補正後(右)の方が自然な白いお皿ですね。
こんな感じで、Photoshopで細かく色を合わせていきます。
今回は細かい色の補正方法を紹介しましたが、どのやり方が正解とかではないので、自分のやりやすい方法を見つけてくださいね。
私がいつもやっている画像補正の流れは、まず「レベル補正」で色の明暗を調整し、「カラーバランス」で色相を調整、細か〜い補正を「コピースタンプツール or ブラシツール」で行います。
例えば同じ状況下で撮影された画像を同じように補正したい場合には、Photoshopのアクション機能を使うと複製ができるので便利ですよ。
他にも、補正レイヤーを複製して、様子を見る方法もあります。(数が多いと面倒)
画像の編集と加工はやればやるほど色んな技を身につけるので面白い!