【Photoshop】ラスタライズとアピアランスの分割について【Illustrator】

デザイン制作

入稿の際に「ラスタライズ」しろって言われたけど、ラスタライズって何?と、友人がちょうど困っていたので、同じ悩みを持っている方へ共有しておきます。

ついでに、似たような横文字で「アピアランスの分割」というものもあるので、合わせて分かりやすく説明したいと思います。

ラスタライズとは画像データ(ラスターデータ)に変換すること

そもそも「ラスタライズ」とは、簡単に言うと「ラスター(ビットマップ)データに変換する」という機能のことなんですね。

つまり、「ラスタライズして」というのは、言い換えれば「画像データにして」ってことです。

では、どんな場面でラスタライズが必要なのかってところを説明していきます。

1. Photoshopで作ったテキストやオブジェクトをラスタライズし、画像データにする

Photoshopでバナーなどのビジュアルを制作する際、複数のレイヤーを使ってテキストやオブジェクトなどを配置することがあると思います。

Photoshopのpsd形式で保存している間は何度でも編集ができますが、最終的にデータを入稿する際には全てラスタライズし、画像データに変換することが望ましいです。

ラスタライズする理由は「他人が編集できないようにすること」「違う環境で開いても置換されないように予防すること」「データを軽くすること」が目的です。

最終的に「すべてのレイヤーを結合」を実行してしまえば強制的にすべてラスタライズされるので、面倒であれば最後にレイヤーを結合し、一つの画像データに変換してしまえば問題ありません。

2.Illustratorの複雑なパスや効果をラスタライズし、データを軽くする

Illustratorでラスタライズ機能を使うのは、主にデータを軽くするときです。例えば「ぼかしなどのエフェクト効果を多用して重くなったとき」、「複雑なイラストを使ってパス数が大量になってしまったとき」、「画像を埋め込みで使っていて重くなってしまったとき」などに、それらをラスタライスし、画像化して軽くします。

ラスタライズする際には解像度を選べますが、基本的には高解像度の300dipが推奨です。もし制作データがWeb素材の場合には72dpiでも構いません。印刷用なら300dpi以上(350dpi)が理想です。

ついでに、背景が透明の効果に関しては「透明」にチェックを入れることをお忘れなく。「ホワイト」を選択していると、白い背景が追加されてしまいます。

また、効果に関してはラスタライズ以外にも、「アピアランスの分割」でも対応が可能です。では、ラスタライズとアピアランスの分割の違いについて見ていきましょう。

アピアランスの分割とは?ラスタライズとの違いについて

Illustratorの機能「アピアランスの分割」とは、パス化されていない仮想オブジェクトをパス化する機能です。これは見比べた方が分かりやすいと思うので、ブラシ&効果(ジグザグ)で比較してみますね。

アピアランスの分割

上がそのままの状態、下がアピアランスの分割後です。ご覧の通り、アピアランスの分割は実態のないものを現実にパス化してくれます。

アピアランスを分割しないて拡大縮小などの変形をすると、形そのものが変わってしまいます。それを防ぐためにアピアランスの分割をして、オブジェクトを固めてしまいます。

ラスタライズは「画像化する」、アピアランスの分割は「パス化する」。これが一番簡単な答えかと思います。

入稿の際のトラブルを防ぐため、また不安を拭い去るため、きちんと理解した上でデータを作れるようにしましょう!