知らない間に、Illustrator2021とPhotoshop2021がリリースされていました。早速アップグレードしたので、新機能を一緒に見ていきましょう!
目次
Illustrator(イラストレーター)2021の新機能
まずはIllustrator2021の新機能です。今回の目玉はこれです!「オブジェクトを再配色」。これは、オブジェクトのカラーハーモニクスを簡単に変更できる機能です。
オブジェクトの再配色【オブジェクトの色調を簡単に変更】
カラフルに仕上げたグラフィックスの色を変更するのは非常に手間のかかる作業です。一部の色や色相を変えるには、自動選択ツールで類似色を全て選択し、変更するのが精一杯でしたが、この機能には同系色まで一緒に選択されるという欠点があり、カラフルなイラストの中で同じ色だけを抽出するにはレイヤー分けorグループ分けなどの作業が必要でした。
この細かい色相変更の作業を一瞬で済ませることが出来るというのが、この「オブジェクトの再配色」です。(場所:メニュー「編集 > カラーを編集 > オブジェクトの再配色」)
ウィンドウパネルではこんな感じで、詳細に色の配色を設定することもできます。
メインカラーを変更したり、色の数やハーモニー(単色や多色、トライアド、テトラード、淡色濃色など)を変更するだけでカラーバリエーションがいくつも作れるというツール。(配色のパターンと使い方について)
実際のプレビューではこのイラストのように、簡単に配色が置き換わっていきます。
何が便利って、色の知識がなくても美しく調和した色がボタン一つで作れることと、何パターンものカラーバリエーションを試せることですよね。
実際のデザイン提案ではカラーバリエーションが求められることが多いので、デザイン制作において非常に効率的になる新機能です。
グリフの境界に整列【文字やオブジェクトの正確な整列】
ついに、整列ツールで文字の仮想エリアを無視して整列できるようになりました!
今までの整列ツールでは、テキストの仮想エリア(テキストボックス)に対して整列が適応されていたので、括弧や記号、オブジェクトに対して不思議な余白が生まれていました。キレイに整列させるには、手作業で余白をつめるなどの作業が必要だったんです。
ところがこの「グリフの境界に整列」機能を使うと、文字に整列させる「ポイント文字」と、テキストエリアに整列させる「エリア内文字」と、両方がスイッチで使えるようになります。図で表すとこんな感じ。
従来の整列では、「エリア内文字」のように仮想エリアを含めて整列されるパターンでしたが、「ポイント文字」を選択すれば、全てが文字のアウトラインに合わせることが出来るようになります。
もうカーニングで詰めるのが癖になっている方も多いはずですが、まず初めに整列ウィンドウのオプションメニューから「グリフの境界に整列 > ポイント文字 & エリア内文字」にチェックを入れ、用途に応じて整列を使い分けるように下準備しておきましょうね。
Photoshop(フォトショップ)2021の新機能
Photoshop2021の新機能で気になるのは「空の置き換え」という便利な合成機能です。その名前の通り、画像の空をいろんなシチュエーションに置き換えることが出来る、ワンタッチ合成ツールです。しかも数秒で。
「空の置き換え」で天候と時間も自由自在
撮影中にはいろんなトラブルが起きます。せっかくスケジュールを合わせて撮影地に出向いても、天候や時間までは思い通りに操作できません。例えば、晴れの日を想定していたのに曇りだったとか、朝に撮影し始めて、気がついたら最後の方の画像は夕方になっていたとか。。当然、時間が経過すると共に空の色や雲の位置も変わりますので、時系列を合わせるためには合成作業が必要になります。
そこで活躍できるのがこの「空の置き換え」機能です(場所:編集 > 空を置き換え)。例えば、寂しげだった空に雲を追加し、夕焼けの映り込みをダイナミックに表現することができます。
しかもこの機能、わざわざ選択ツールなどで空を抽出しなくても、AdobeのAIが自動で空を切り抜き、レイヤーマスクや色相補正を追加してくれるんです。さらに置き換え画像まで用意されているので、そこから選ぶことも可能。
理想の空画像を選び(なければ読み込む)、エッジの強弱や色温度などを調整すれば、あら簡単!美しい夕焼けの出来上がりです。外での撮影で思い通りにならなかった空が、このツール一つで簡単に合成できちゃいます。
今後、色んなシチュエーションで簡単に合成ができるようになるかもしれないと、期待が伴う新機能でした。
【時間短縮】iPhoneとPhotoshopのシームレスな連携
地味なところで見逃していた、iPhoneなどのデバイスから直接画像を読み込める機能。PhotoshopでiPhoneの画像を素早く取り込む機能が追加されていました。「ファイル > 読み込み > 画像をデバイスから」で簡単に画像が取り込めるようになっています。今まで使っていたAirDropはもう要らないんですね。これはデジカメにも対応可能なのでしょうか。クラウドライブラリの連携も改善されてるみたいだし、ほんと今は連携が命ですね。
【Adobe MAX】今後の新機能は「Adobe Labs」でチェック!
みなさん、Adobe MAXはご視聴になりましたか?10月21-23日の期間中、Adobeが世界同時ライブ配信をぶっ通しで流しているオンデマンドの機能紹介PRイベントです。日本版と英語版を合わせれば、ほぼ一日中(3日間ずっと)垂れ流し状態です。
いろんなクリエイターが「Adobe製品を使ってこんな作品作りをしてますよー」というデモを紹介しているんですが、その中で一番注目を集めていたのが「MAX Sneaks」という現在開発途中の新機能を紹介するコンテンツでした。
その中でも際立っていたのはグラフィックコンテンツの3D化ツールの躍進です。IllustratorやDemension、Photoshopなど、今後3Dを展開していく上でより簡単に、スピーディーに表現できるような新しい機能がデモ付きで紹介されていました。
例えば、オブジェクトの間隔や遠近をドラッグ一つで操れるようになったり、曲線に沿わせてオブジェクトの配置ができるようになったり、ハイライトやシャドウを自動でつけれるようになったりする「Arrange」。
アイソメなどの立体的なイラストが流行しましたが、それに近い立体グラフィックを作るときには非常に便利な機能です。特に湾曲に沿う変化は見事。今まで一つひとつ歪ませて、傾けて、手作業でしていましたもんね。。
また、比較的新しいアプリのDimensionでは、目の前にある物を撮影するだけで3Dグラフィックに置き換えられる「Scantastic」という機能が紹介されていました。
こんな感じで、スニーカーをiPhoneでスキャンすると、、、
画面上で3Dグラフィック化する。360度回転して見ることができるので、オンラインショッピングやプロトタイプの紹介に最適だと思います。
さらに、この3DグラフィックをiPhoneと接続すれば、カメラビューでバーチャルスニーカーが登場!手持ちのアイテムと合わせることもできるので、遠隔で買い物が楽しめるような錯覚に陥ります。可能性が広がります。
あとは、パースなどの仮想グラフィック作りに便利な、3Dモデルにテクスチャーやマテリアルを一気に適応できる「Material World」も非常に便利そうです。
ポイントは、テクスチャを個別で当てはめていくのではなく、一気に「えい!」で置き換わるという点。しかも陰影の深さなんかも調整でき、テクスチャーもリアルそのもの。開発者も言っていましたが、かなりメモリを使うみたいなので、今後のPCのスペックが心配です。
その他にも動画やWebなど、いろんなツールで新開発が進んでいるようです。Adobe MAXで紹介されたSneaksは「Adobe Labs」で見ることができますよ。